【図解】マーケットと特許と自社品と競合品との関係
update:
September 28, 2019
特許をとるなら、なるべく広い範囲になるようにしたほうがいいです。言い換えると、競合他社が参入してきたら、自社の土俵(=市場)を荒らされないように守れる特許をとるのが理想的です。
この考え方を図解すると以下のようになります。
まず、当然ながら、特許はマーケットの一部となるようにとります。そして、図示する特許の円の面積(=特許権の効力が及ぶ範囲)がマーケットに対して大きいほど、競合他社が参入しにくくなります。
このとき、自社品が特許の円の中に入るようにします。意外にもこのことがあまり理解されていないと個人的には感じています。つまり、せっかく特許をとったのに、自社品を特許で守れていないことがあります。
もちろん、仕様の変更など生じて特許の範囲から外れてしまった場合は仕方ありませんが、そのような場合には変更した部分について特許を出しなおすことも検討すべきです。なお、理想的には、仕様の変更にも耐えられる特許にすべきです。
一般的に、競合他社は、自社品を真似して競合品をつくりますので、自社品が特許の範囲内であれば、競合品も特許の範囲内となる可能性が高まります。
図示するように、競合品Aは特許の範囲内なので、侵害品となります。一方、競合品Cは特許の範囲外なので、侵害品とはなりません。
そして、特許の範囲の境界をまたいでいる競合品Bは、判断が難しいグレーゾーンとなります。なお、ここでは均等侵害の説明は省略します。
まとめ
特許をとるときには、マーケットと特許と自社品と競合品との相関を意識して、特許の範囲を検討することをおすすめします。
文責:打越