特許の経過情報とは?小学生にもわかる意味・使い方
特許の経過情報とは、特許の出願(申請)がされてから登録がなされるまでの間や特許の登録がなされた後、特許庁に提出された書類名や書類の提出年月日などに関し、特許庁の公開データベース(J-PlatPat)で誰でも見ることができる情報です。
そこで、特許の経過情報をどのように見たり使ったりするかを、小学生にもわかるように簡単に解説します。
検索結果画面の『経過情報』
まず、特許庁の公開データベース(J-PlatPat)にて、公開特許公報や特許公報を検索したとき、検索結果がリスト表示されます。J-PlatPatの簡単な使い方は以下を参照してください。
☛ 特許を調べるには?小学生にもわかるJ-PlatPatの使い方
このとき、検索結果の右端の「各種機能」の列にある『経過情報』というボタンをクリックしてください(下図の赤枠)。
『経過記録』の使い方
『経過情報』をクリックすると、『経過情報照会』という画面に切り替わります。
このうち、『経過記録』『出願情報』『登録情報』を見ることができますが、よく使うのは『経過記録』です(下図の赤枠内)。
そして、『経過記録』には、『審査記録』と『登録記録』が含まれています。
『審査記録』
『審査記録』には、特許の出願(申請)がされてから登録がなされるまでの間に、特許庁に提出された書類名や書類の提出年月日などが列挙されています。
さらに、列挙されている以下の書類をクリックすると、中身を見ることができます。
①特許願(明細書、請求の範囲、要約書、図面)・・・特許の申請書類です。
②出願審査請求書・・・審査を請求しないと出願そのものがなかったものとなります。
③拒絶理由通知書・・・新規性違反や進歩性違反など特許にできない理由が記載された書類です。
④手続補正書・・・③を解消するために特許の申請書類を書き換えた書類です。
⑤意見書・・・④により③を解消できたことを審査官に主張する書類です。
⑥特許査定・・・審査を通過して特許が認められると特許庁から届く書類です。
特に、競合他社の特許を調べるときに、③拒絶理由通知書、④手続補正書、⑤意見書を見れば、特許が認められた要因や最終的な特許請求の範囲を確認できます。
『登録記録』
『登録記録』には、特許が認められた後、特許を登録するための特許料や特許を維持するための維持費(年金)の支払い状況が列挙されています。
ここを見たときに、もし競合他社の特許の維持費(年金)の支払いが直近の期限内に行われていない場合、その特許は消滅済みの可能性が高いため、本当に消滅しているかを慌てずに調べましょう。
まとめ
特許の経過情報は、特許が登録されるまでの流れ・特許が登録された要因・特許の維持費(年金)の支払い状況などを、誰でもインターネットで確認することができる、とてもありがたい情報です。
なお、経過情報は、特許のみならず、実用新案・意匠・商標でも見ることができます。
文責:打越佑介