公開特許公報・特許公報とは?小学生にもわかる違い

category: 特許 BLOG
update: August 03, 2020 

「競合他社がどんな特許を取っているか調べていたら、当社が開発中の製品について特許を取られていいました。どうすればいいですか?」という相談をよく受けます。

このとき、お客様が入手した書類は、『公開特許公報』や『特許公報』なんですが、お客様はそもそもこれらが違う種類の書類であることをご存じないことがほとんどです。

そこで、競合他社の『公開特許公報』や『特許公報』が見つかっても、慌てなくていいように、これらの違いと見分け方を、小学生でもわかるように解説します。

公開特許公報は特許ではない

まず、『公開特許公報』の場合、1ページ目の一番上に、『公開特許公報』と書かれています(下記画像の赤丸内)。

そして、『公開特許公報』とは、簡単に言いますと、特許出願された書類を特許庁が公開したものに過ぎません。

なぜなら、特許の出願日(申請日)から1年半後に特許出願された書類を公開するルール(特許法第64条)があるためです。

つまり、『公開特許公報』は特許ではないので、慌てる必要はありません。

特許公報だけではわからない

つぎに、『特許公報』の場合、1ページ目の一番上に、『特許公報』と書かれています(下記画像の赤丸内)。

そして、『特許公報』とは、簡単に言いますと、出願(申請)された特許の書類に対して特許庁が審査して特許と認めたものです。

つまり、『特許公報』は特許ですので、注意はすべきですが、まだ慌てる必要はありません。

特許が生存中か?消滅済みか?

『特許公報』でも、生存中か、それとも消滅済みかによって、判断は大きく異なります。

特許が生存中か消滅済みかは、特許の経過情報から確認できます。特許の経過情報の見方や使い方は以下を参照してください。

特許の経過情報とは?小学生にもわかる意味・使い方

一般的に、特許が「生存中」とは、年金(維持費)の支払いを続けていることにより、特許が存在している状態です。

一方、特許が「消滅済み」とは、年金(維持費)の支払いを止めてしまったり支払う必要がなくなってしまったことにより、特許が存在していない状態です。

つまり、『特許公報』だとしても、消滅済みであればもはや特許ではないため、慌てる必要はありません。

まとめ

競合他社がどんな特許を取っているか調べている最中、以下のステップ1・2を検討し、最終的に特許が生存中の『特許公報』が見つかった場合、要注意です。

ステップ1:『公開特許公報』か『特許公報』か?

ステップ2:『特許公報』における特許が生存中か?消滅済みか?

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文責:打越佑介

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