J-PlatPatで特許検索数を初心者でも上手に絞るコツ

category: 特許 BLOG
update: September 01, 2020 

J-PlatPatで先行技術調査をする場合、「簡易検索」を使う初心者の方が多いようですが、キーワードの入力欄が一つしかありません。

「簡易検索」のメリットは、特許・実用新案、意匠、商標、どれでもボタンの切替で検索できる点ですが、デメリットは、検索の精度を高めにくい点です。

特許の場合、難解な公開特許公報や特許公報をある程度読まなければならない分、上手く検索しないとノイズ(関係ない公報)が多くなってしまいます。

そこで、初心者でもJ-PlatPatを使って特許検索数を上手に絞るコツをご紹介します。

アイディアを可視化する

J-PlatPatを使う前に、箇条書きでも文章でも説明図でもいいので、まずはアイディアを可視化しましょう。特に、アイディアを言葉に置き換えることは大切です。

新しいプロダクト(装置、日用品など)なら、部品・構造・組み立て方・効果など、ソフトウェア(アプリケーション、ウェブシステムなど)なら、機能・処理の流れ・効果などを、言語化します。

なぜなら、公開特許公報や特許公報は、プロダクトやソフトウェアなどのアイディアを言語化し、ストーリー調に作文したものだからです。公開特許公報と特許公報の違いは以下を参考にしてください。

公開特許公報・特許公報とは?小学生にもわかる違い

ストーリー調とは、背景技術→従来技術の紹介→従来技術が抱える問題→上記問題に基づき解決すべき課題→上記課題を解決する手段(≒特許請求の範囲)→上記手段により得られる効果→アイディアの具体的な内容(=発明の実施形態)、といった流れのことです。

そのため、特許文献の検索数を上手に絞るには、探したい公開特許公報や特許公報のストーリーに使われそうな言葉に、アイディアを置き換えて言語化することが必要です。

例えば、「シャツ」といっても、Tシャツ、Yシャツ、ロングスリーブ・ノースリーブ・タンクトップ、襟有り・襟無し、プルオーバータイプ・ボタンタイプというように、いろいろあります。

つまり、「シャツ」を上位概念とすると、各種のシャツを下位概念として言語化することで、「シャツ」に関係する先行技術文献の漏れが減り、検索精度を高められます。

「特許・実用新案検索」で各検索項目を組み合わせる

J-PlatPatで先行技術調査する場合、「特許・実用新案検索」がおすすめです。無料で使えますし、検索項目を2つ以上選択できるため、「簡易検索」より調査精度が上がるはずです。

言い換えると、検索項目をうまく組み合わせれば、簡単に検索数を上手に絞れます。そこで、「特許・実用新案検索」を使った先行技術調査でよく使う検索項目とその理由をご紹介します。

1.請求の範囲

J-PlatPatで先行技術調査するということは、公開特許公報または特許公報を検索することになります。そして、これらの公報のうち、エッセンス(最も重要な部分)が詰まっているのが、「(特許)請求の範囲」です。

なぜなら、審査の結果、特許になる部分が「(特許)請求の範囲」なので、この部分にアイディアを上位概念や下位概念に言語化したキーワードが潜んでいる可能性が高いからです。

ちなみに、「要約/抄録」という検索項目は、文字数が「請求の範囲」より少ないため、活用頻度は低めです。また、「全文」や「明細書」という検索項目は、文字数が「請求の範囲」より多く、かつエッセンス以外の説明もされている分、ノイズ(関係性の低いキーワード)も含まれているため、活用頻度は低めです。

なお、複数のキーワードをAND条件にしたいときは、「請求の範囲」を二段以上選択し、OR条件にしたいときは、同じ検索欄にスペースを挟んで入力します。

2.発明・考案の名称/タイトル

「発明・考案の名称/タイトル」は、一般的に、アイディアのタイトルを上位概念化した言語にて表現します。ただ、上位概念過ぎて曖昧だと審査で不利になるおそれがあり、下位概念過ぎて具体的だと権利範囲が狭くなり過ぎる恐れがあるため、よく考えて決定すべき部分です。

そのため、「請求の範囲」で検索数が多過ぎたり少な過ぎたりして上手く絞れなかった場合、例えば、「発明・考案の名称/タイトル」と「請求の範囲」とを一つずつ選択し、前者には上位概念のキーワード、後者には下位概念のキーワードを入れて検索すると、上手く検索数を絞れることがあります。

3.出願人/権利者/著者所属

競合他社や似た特許を出してそうな会社を知っている場合、「出願人/権利者/著者所属」を選択し、それらの社名でキーワード検索することもあります。たくさん特許を出している競合他社ほど、この検索項目は有効です。

例えば、「発明・考案の名称/タイトル」と「出願人/権利者/著者所属」とを一つずつ選択し、ある発明についてシェア上位の会社がそれぞれ何件特許を出しているか調べることもできます。

まとめ

J-PlatPatで特許検索数を初心者でも上手に絞るコツをまとめると、以下の2つのステップになります。

ステップ1:アイディアを可視化する

ステップ2:「特許・実用新案検索」で各検索項目(「請求の範囲」、「発明・考案の名称/タイトル」、「出願人/権利者/著者所属」など)を組み合わせる

はじめからステップ1を完璧に行うのはむずかしいので、ある程度可視化できたらステップ2に進み、ある程度特許検索して先行技術を調べられたらまたステップ1に戻ると、アイデアの言語化もはかどり、その分検索精度も上がりますので、試してみてください。

文責:打越佑介

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