ブランド戦略にも初心者にも役立つ商標登録の5W1H

category: 商標 BLOG
update: August 24, 2020 

ブランド戦略とは、一言で表すと、他社とは違う価値を感じてくれるファン(顧客、ユーザー等)をつくるための活動(=ブランディング)の戦略、と考えています。

そして、ブランディングで大切なことは、他社との違い(=自社の価値)をファンが認識しやすくすることであり、ファンにとってその違い(価値)目印(商標)守る(登録する)ことは、ブランド戦略の具体策です。

そのため、商標登録も、ビジネスフレームワークの5W1H(What,Why,Who,When,Where,How)の質問に回答できれば、ブランド戦略としても有効です。

5W1Hの順番は自由ですが、以下で紹介する流れは、商標登録にとっての優先順位です。ブランド戦略のみならず商標登録の初心者にも使えるフレームワークです。

What(質問:商標は何ですか?)

回答:商標は●●●を示す○○○です

回答の●●●にはあなたのビジネス、○○○には商標(ネーミング・マーク)の形態を入れます。以下は回答例です。

例1:商標は小売業を示す文字(ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字、アルファベット)です。

例2:商標はソフトウェア開発業・アプリケーション名を示すロゴタイプ(上記文字をオリジナルの書体で表示)です。

例3:商標は飲食業を示す図形(エンブレム、キャラクター)です。

例4:商標は複数の業態を示す組み合わせ(図形+文字、ロゴタイプ+図形、図形+図形)です。

How(質問:商標をどのように使いますか?)

回答:商標を●●●として○○○します

回答の●●●にはブランドの種類、○○○には実際に商標を使う状態を入れます。以下は回答例です。

例1:商標をコーポレートブランド(社名・エンブレム)としてホームページのタイトルやロゴにしたり、看板にしたりします。

例2:商標をファミリーブランド(複数の商品のカテゴリをまたぐ包括的なネーミング・マーク)としてパッケージに印刷します。

例3:商標を個別ブランド(個々の商品のネーミング・マーク)としてサービス提供時のツールに付けます。

Why(質問:商標登録をなぜしますか?)

回答:商標登録を●●●のためにします

回答の●●●には商標登録の目的や理由を入れます。以下は回答例です。

例1:商標登録を競合他社などに先に商標登録されて当社が使えなくなったら困るのでします。

例2:商標登録を一般名称かどうかわからないため商標出願して審査してもらいたいためにします。

例3:商標登録を売買目的、ライセンス(使用権の許諾)目的のためにします。

Who(質問:商標登録は誰のものですか?)

回答:商標登録は●●●のものです。

回答の●●●には商標登録を出願する人や商標権を管理する人を入れます。以下は回答例です。

例1:商標登録は法人(株式会社、合同会社、一般社団法人など)のものです。

例2:商標登録は個人(中小企業の社長・フリーランスなど)のものです。

例3:商標登録は共同名義(法人+法人、個人+個人、個人+法人)です。

When(質問:商標をいつから使いますか?)

回答:商標を●●●から使います(予定です、使っています)。

回答の●●●には具体的な時期や予定を入れます。以下は回答例です。

例1:商標をプレスリリース後から使います。

例2:商標を将来的に使う予定です。

例3:商標を既に1年前から使っています。

Where(質問:商標をどこで使いますか?)

回答:商標を●●●で使います。

回答の●●●には地域名や国名を入れます。以下は回答例です。

例1:商標を日本国内のみで使います。

例2:商標を日本及びアジア諸国で使います。

例3:商標を日本及び欧米で使います。

まとめ

商標登録は知的財産として活用しやすいため、安易に考えられがちですが、トラブルにも発展しやすいため、適当になんとなく出願したり登録前に商標を使ったりするのは危険です。

5W1Hはマーケティング等のビジネスフレームワークとしても用いられている分、使いやすくわかりやすいため、社内の重役や社外の弁理士にもその内容を伝えやすいです。

文責:打越佑介

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