Ⓡ(Rマーク)とは?小学生にもわかる意味・メリット等

category: 商標 BLOG
update: August 10, 2020 

商品の名前やロゴの隅っこに小っちゃく付いている「Ⓡ(Rマーク)」、見たことありませんか?あれはなんだろ~?って思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

そこで、Ⓡ(Rマーク)の意味・メリットの他、注意事項・付け方例を、小学生にもわかるよう簡単に解説します。

Ⓡ(Rマーク)の意味

Ⓡ(Rマーク)とは、「Registered(登録済み)」の頭文字「R」を意味し、審査を通過して登録された商標(=登録商標)にのみ付けることが許されています。

「登録商標」とは、登録番号が付いている商標です。そして、登録番号は、審査を通過して登録料を納付した後に付けられます。つまり、審査を通過していない商標や登録料を納付していない商標(=未登録商標)に、Ⓡ(Rマーク)を付けられません。

未登録商標にⓇ(Rマーク)を付けると、虚偽の表示の罪(商標法第74条,80条)として、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑に課されますので、注意してください。

Ⓡ(Rマーク)のメリット

Ⓡ(Rマーク)は、小さいので決して目立ちませんが、見た目以上に大きなメリットを受けられる可能性を秘めています。

メリット①:登録商標であることをアピールできる

登録商標かどうかは、実は誰でも特許庁の公開データベース(J-PlatPat)で調べられますが、弁理士のようなプロ以外でわざわざそんなことをするとは考えにくいです。

そのため、登録済みであることを自ら発信しなければ、売れてる商品やサービスの名称ほど、真似されるリスクが高まります。真似すれば手っ取り早くビジネスに相乗りできるからです。

そこで、たとえ小さくてもⓇ(Rマーク)を付ければ、登録商標であることをアピールできるため、悪意があってもなくても第三者が安易に真似しにくくなるでしょう。

メリット②:ブランディング効果が高まる

商品やサービスを有名ブランドに築き上げるには時間がかかるため、商品名やサービス名を商標登録することは、ブランディングの大前提と考えられます。

さらに、商標登録しただけでは終わらず、Ⓡ(Rマーク)を付けて登録商標であることをアピールし続け、真似されないように対策することで、ブランディング効果が高まります。

一方、Ⓡ(Rマーク)を付けず、知らぬ間にいろんな人たちに使われてしまうと、登録商標から普通名称化してしまった「エスカレーター」のように取り返しのつかないことになるかもしれません。

階段式昇降機を表す「エスカレーター」は、当初は米国オーチス・エレベータ・カンパニーが製造販売する階段式昇降機を表示する商標として需要者に認識されていた。しかし、現在は階段式昇降機を表す一般的名称として認識され、他社が製造販売する階段式昇降機にも「エスカレーター」の名称が使用されている。階段式昇降機に「エスカレータ」の名称を付して販売しても、それがオーチス社の商品であると意識されることはない。

引用:商標の普通名称化-wikipedia

Ⓡ(Rマーク)の注意事項

Ⓡ(Rマーク)についてよくある質問や盲点を紹介します。

出願中の商標にⓇ(Rマーク)を付けられない

商標登録の出願(申請)をしたのでⓇ(Rマーク)を付けてもいいですか?という質問をよく受けますが、出願中の商標は未登録商標のため、Ⓡ(Rマーク)を付けられません。

そこで、もしどうしても真似されたくない場合やブランディングを進めたい場合は、「TMマーク」を付けることをおすすめします。「TM」とは、「Trademark」の略称で、未登録であっても自分の商標であることをアピールできます。

ただし、「TMマーク」には法的効力がないです。つまり、出願中の商標を真似されても、「TMマーク」を付けているからといって止めさせられるわけではありませんので、注意してください。

登録後に変更した商標にⓇ(Rマーク)を付けられない

デザインを変更したため、登録商標とは違う商標ですが、Ⓡ(Rマーク)を付けてもいいですか?という質問もよく受けますが、色以外を変更した商標はもはや登録商標とは言えない恐れがあるため、答えはNo(Ⓡを付けてはいけない)です。

繰り返しになりますが、Ⓡ(Rマーク)を付けられるのは、登録商標のみです。色を変更しただけなら登録商標と見なされますが(商標法第70条第1項)、形を変更したら、たとえ登録商標に似ていても、登録商標ではなくなります。

もし形を変更した商標にⓇ(Rマーク)を付けたい場合は、あらためて商標登録の出願(申請)しましょう。

登録外のビジネスに使用する商標にⓇ(Rマーク)を付けられない

登録商標は、商標(商品名・ロゴ・図形など)と、商標を使用するビジネス(指定商品・指定役務)とがセットです。つまり、商標が同じでも、商標を使用するビジネスが異なれば、商標にⓇ(Rマーク)を付けられません。

例えば、アプリケーション名として商標「ABC」を登録したにもかかわらず、食品名として商標「ABC」を使用したら、商標「ABC」にⓇ(Rマーク)を付けられません。

同じように、ソフトウェア開発の社名として商標「DEF」を登録したにもかかわらず、飲食店の店名として商標「DEF」を使用したら、商標「DEF」にⓇ(Rマーク)を付けられません。

Ⓡ(Rマーク)の付け方(位置や大きさ)

Ⓡ(Rマーク)の付け方にルールはありませんが、商標のデザインを崩してしまうは好ましくありませんので、一般的なⓇ(Rマーク)の位置や大きさを当所ロゴ(IPRoom)で紹介します。

商標の右上外側にⓇを付けるパターン

最も一般的であり、Ⓡ(Rマーク)が商標と近過ぎず遠過ぎない位置にあるため、バランスもよく見やすいです。

商標の右上やや内側にⓇを付けるパターン

Ⓡ(Rマーク)が「m」の最右端と同じ位置にある分、全体的にコンパクトな印象を与えやすいです。

商標の右下にⓇを付けるパターン

「IPRoom」の後半「oom」が小文字の分、全体的に下側が詰まっている印象を与えやすいかもしれません。

『「〇〇〇」は●●●の登録商標です。』とするパターン

場所の指定はありませんが、例えばウェブサイトのどこかに文章で登録商標の表示をします(下記画像は「よくある質問」)。

まとめ

Ⓡ(Rマーク)は必須ではありませんが、その意味やメリットや注意事項を知らないと、損したりトラブルに巻き込まれたりするおそれもありますので、気を付けてください。

Ⓡ(Rマーク)をどこにどれくらいの大きさで付けるかは、商標とのバランスで決定すべきで、Ⓡ(Rマーク)を付けない場合、ウェブサイトに文章で登録商標の表示をすることをおすすめします。

文責:打越佑介

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